こんにちは、ゆるカピです。
あなたは試験で使った法令集って、その後どうしていますか。もし今まさに試験勉強中で、ガンガン使っているよっていう人は、合格した後どうするか考えてみてください。
私の場合、使うか使わないか迷った挙げ句、とりあえず引き出しに保管しています。会社にも法令集はあるのですが、インデックスもアンダーラインも引いていないため使うとなるとちょっと不便に感じてしまうからです。
ちょっと条文を調べたいなって思った時、多少古くてもインデックスとアンダーラインが引いてあるほうを優先しちゃうなあ。
へぇ、試験だけじゃなくて実務でも使えるんだね。
実務ではほかに普段どんな法令集を使っているの?
今回は、そんな疑問にお応えして一級建築士試験と実務で使う法令集についてご紹介します。
そもそも法令集って?
法令集は建築基準法・施行令・規則と関係法令の条文がまとめられたもので、これを使って法律関係のことを調べます。ただし、索引はなく調べるときは目次とインデックス、わずかに記載が許されているメモやアンダーラインが唯一の頼りになります。
法規の勉強を始めたてのころはここがちょっと不便で、調べるのに時間がかかってしまう要因になっています。
また、建築基準法ができた当初は分厚くなかったそうですが、幾多の法改正を経て年々ページ数と厚みが増しています。
そのうち広辞苑みたいな厚さになるのかな。それとも完全に電子書籍化して、試験自体がオンラインになる未来もあるかも...
試験で使う法令集
法令集のおすすめは、一級建築士試験対策として使うなら、総合資格の法令集(B5サイズの通常版)です。おすすめの理由は別記事でも紹介していますが、何といっても試験に最適化しているのが大きな理由です。
総合資格の場合、法令集は法令編と告示編に分かれています。しかし、試験に使うのは法令編のほうだけで大丈夫です。インデックス貼りもする必要はありません。
というのも、法規の問題は告示から直接出題されないためです。告示の知識が必要な場合は必ず問題文に補足説明が書かれています。
それじゃあ、告示編は何のためにあるの?
実務はむしろ告示のほうを使うよ。告示のほうは法令よりも具体的にどんなことを守らないといけないかが書いてあるよ。
ただし、告示編に関しては法令編以上に毎年のように変わることが多いので、告示編の本を買ってもすぐに情報が古くなってしまう可能性が高いです。
なので、試験はもちろんのこと実務用としても告示編を買うことはあまりおすすめしません。
告示の参照方法
最新の告示は国土交通省のWebサイトで検索して確認するとよいでしょう。リンク先のExelファイルまたはPDFファイルから参照して調べることができます。おそらく最も情報が早いです。
法令に関してはこちらから検索して調べることができます。
本を持ち歩かなくても調べられるなんて、本当に便利な時代になったね。
機関誌の購読には年会費がかかりますがバックナンバーの目次は無料で閲覧できるので、条文のタイトルを目次で確認し国土交通省のWebサイトで検索すれば無料で調べることができます。
まとめ:試験で使う法令集は法令編のみを買おう
結論としては試験で使う法令集は法令編だけでOKで、おすすめは総合資格の法令集となります。
ただし、総合資格の法令編と告示編は見た目が似ているので、大型書店で購入する際は気をつけてください。
実務で使う法令集
続いて実務で使う法令集ですが、これは人によって好みが分かれると思います。有名どころだと、「確認申請memo」と「建築法規PRO」、「目からウロコの確認申請」です。私自身は「目からウロコの確認申請」を見ることが多いです。
試験に特化した法令集とは違って、これらの法令集は図解で説明していたりカラフルな配色が使われていたり、と忙しい実務の合間にサクッと調べやすいように工夫されています。
そのほかの参考文献
そのほか、法令集ではないけど参考書として便利な本も合わせてご紹介します。
分野別でわかりやすく解説しているものといえば、「建築知識」という雑誌がおすすめです。表紙がイラストになっていたりマンガキャラクターとコラボしていたりと個性的で話題性のある雑誌です。調べたいものがちょうど特集として組まれていればとてもラッキーです。最新刊はこちらから確認できます。
これから行政協議や確認申請をするという場合は、審査要領系、集団規定の本もおすすめです。
- 建築構造審査・検査要領 確認審査等に関する指針 運用解説編 2016年版
- 建築構造審査・検査要領 実務編 審査マニュアル 2018年版
- 建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例 2017年度版
- 建築物の防火避難規定の解説2016
前半2冊は構造設計者向け、後半2冊は意匠設計者向けの本です。
先ほどご紹介した建築知識と違って固めの内容になっていますが、審査する側の担当者はこれらの本を参考にしていることが多いです。打ち合わせをする前に事前に確認しておくことをおすすめします。
いずれの本も建築行政情報センターのWebサイトや、Amazonや楽天などのECサイト、大型書店から購入することができますが、値段も高いのでお勤めの会社に図書として購入してもらいましょう。
この本に書かれている内容とそのQ&Aリストは行政協議や確認申請に効力を持っていて、実質、技術的助言に準じた扱いになっています。
まとめ
以上が法令集の紹介になりますが、こうしてみると建築の実務をしているとたくさんの本があって驚かされます。いかに建築基準法の法令がわかりにくい構成になっているかが伺えます。
今回ご紹介したなかで気になった本があればぜひ、行政協議や確認申請での調べ物の参考にしてみてください。
それでは、良き建築ライフを!
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