こんにちは、ゆるカピ(@yurucapi_san)です。
あなたは、意匠系から構造系へ方向転換するのが難しいんじゃないかと思っていませんか。
構造設計には興味があるけど、構造系の人って数字を睨めっこしてるイメージだし、なにを考えているかよくわからない。自分にもできるんだろうかと疑問に感じているかもしれません。
- 大学の研究室選びで構造系に行くか迷っている人
- 実務で意匠設計しているけど、構造設計に挑戦してみたい人
こんな人におすすめの記事です。
私は、学生時代もともと意匠設計の道を目指していましたが、構造設計の道に方向転換しています。
意匠→構造への方向転換をした理由、当時考えていた戦略を触れながら、方向転換が難しいのかについて解説をしていきます。
意匠→構造への方向転換を決めた理由
今でこそ、構造力学のことを詳しく解説した記事をたくさん書いていますが、私は学生時代構造力学が苦手でした。しかし、構造系の研究室に進み、今では構造設計の仕事をしています。
学生時代は製図課題もそこそこ成績がよく設計の話をあれこれ議論していたので、誰もが意匠設計方面に行くだろうと考えていたと思います。
なぜ、当時得意なほうだった意匠設計の道を捨てて、構造設計の道を選んだのか。
ここには、ひとつの戦略がありました。
方向転換した大きな理由
方向転換しようと決意した大きな理由は次のとおりです。
- 意匠設計では、これ以上伸びそうにないなという感覚があった
- 構造は苦手だったので伸び代が大きかった
- 建築士試験の学科試験で有利(構造と施工)だと思っていた
就職できる範囲が広がる
意匠設計は競合がいっぱいいたからというのが主な理由ですが、構造設計は大手の会社だと採用枠が少なくて厳しいのも事実です。
ただ、構造のスキルを伸ばす努力を続けていけば勝ち取れるし、就職の裾野が設計以外にも広がるので正直メリットしかありませんでした。
学科試験(構造と施工)で有利
人によって意見が分かれるところですが、私は学科試験の構造と施工が有利になると考えています。
構造系の研究室に所属していると、たまに構造駆体の現場見学に行く機会があったりします。現場で働いているゼネコンの人や設計監理をしている人にリアルな情報を聞けるので、構造だけでなくて施工の勉強もできてしまいます。
試験勉強をしている時もこの2分野はそれほど苦労しなかったので、環境・設備や法規に注力することができました。
結果、一級建築士試験はストレートで合格したので、メリットは大きいと思います。
施工は現場に行くのが一番勉強になるよ。構造の仕事をしているといろんな現場の立ち合いという名目で参加できるのがいいね。
捨てる勇気も大事
私は、このまま意匠設計として成長できなさそうだなと判断して、構造設計に方向転換しました。なので、中途半端に意匠系を意識して構造デザインを追求する必要性はないと考えています。
あくまで意匠あっての構造だと割り切ることも大切です。
- 一歩引いた姿勢での提案ができる
- デザインの思想を損なわない構造計画を考えられる
- 意匠に理解がある構造設計者として信頼を勝ち取れる
意匠デザインのことはわかっているけど、デザインのことをああだこうだ言わないのが大切だね。
自分だけの意匠的なこだわりは捨てて、構造設計者としての役割に徹したほうが業務のトラブルを減らすことができます。
意匠→構造への方向転換は難しい?
意匠設計から構造設計は現実的に難しいのでしょうか。
母数が少なく成功者のイメージがつきにくいので難しい印象を受けますが、実際はそれほど難しくないと思います。
あなたが建築学生ならハードルは比較的低いです。構造系の研究室を選んで学生のうちに方向転換するのが一番楽です。私の場合は戦略的に動いていたので、スムーズに移行できました。
方向転換には捨てる勇気が必要
ただし、構造を一から学ぶとなるとある程度知識と経験が必要になります。キャリアとしては少なくとも2〜3年は集中して実務に取り組まないと実力がつきません。
しかも片手間でできるものではないので、構造へ方向転換するなら、これまでの意匠設計のキャリアは一度捨てる勇気を持たないといけません。
構造への理解を深めるために一度構造の道に進んで、また意匠設計に戻りたい場合はどうしたらいいの?
もし、構造の道に進んだ後で意匠設計に戻ろうというキャリアを考えているなら、もう一度初心に帰って意匠設計を学び直す姿勢で行きましょう。
人生100年時代なので、そこまで気にする必要はないと思います。
学ぶ貪欲さがあれば大丈夫
構造設計の実務をこなすのに大切なのは、ちょっとした力学的センスと国語力です。
力学的センスって難しそう...。
力学的センスと言ってもあまり難しく考える必要はありません。重心位置を意識したり柱や壁をバランスよく配置してみたり、というレベルで十分です。
国語力は、プレゼンを数多くこなしてきた意匠系の人なら全く問題ないでしょう。
複雑な構造計算に詳しくなくても実務は問題なくこなせます。むしろ、構造に対する変なこだわりがないので、恥を捨てて周囲の人に相談したり質問したりしやすいのではないでしょうか。
国語力が高いメリットを生かせるから、平均的な構造設計者より大成しやすいかもね。
詳しくは別の記事でも紹介しています。
【要注意】構造設計者は職人気質な人が多い
技術系の職種全般に共通することですが、構造設計者は職人気質な人が多いです。低低の人は、付き合いが長くなるにつれて人柄のよさが見えてきます。
なかには、構造初心者のあなたに対して、
センスないし、使えないな〜。こんなこともわからないの?
と不快にさせる発言を平気でする人もいます。スキルがあるため上から目線になってしまうタイプの人です。
こんな人とはさっさと距離をとって、誠実に応えてくれる人に相談するといいでしょう。
一緒にいるだけでメンタルが病みます。一日8時間も同じ場所で仕事をするのはどう考えても効率が悪いです。私も前の上司がそうだったので苦労しました。
今はパワハラ防止法も施行されたので、今後は減っていくと思われます。
あなたがメンタル不調に悩んでいるなら、こちらの記事も参考になります。
まとめ
設計職のなかでも手に職をつけたいなら、構造設計はおすすめです。同じく技術系の設備設計に進むのもいいでしょう。
方向転換するなら、
- 捨てる勇気
- 学ぶ貪欲さ
の2つができていれば大丈夫です。パワハラしてくる人はスルーする・距離をとるようにしましょう。
以上になります。今後のキャリアの参考になれば幸いです。それでは、また。
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