こんにちは、ゆるカピ(@yurucapi_san)です。
あなたはこんなことに悩んでいませんか?
構造設計の仕事をやってるけど、毎日が忙しくてしんどい...。
自分は本当にこの仕事に向いているんだろうか?
構造設計の仕事って、専門的なことを扱ってて、責任が重くて、しんどいですよね。
私もこの仕事しんどいなあと思ったのが1,000回くらいあります。
生涯現役なら、とんでもないことになりそう。
1,000回は半分冗談です。少し言い過ぎました。
構造実務歴6年で、365 日 × 6 年 = 2,190 日となるので2日に1回はしんどいと思ってる計算になります。
とはいえ、構造設計の仕事を続けていると、自分には向いてないんじゃないかと思い悩む時期はたまーに訪れます。
辞めるほどではないけどつらいなあ、と思い悩んでいる人は結構多いのではないでしょうか。
私の簡単なプロフィールはこんな感じ。
今回は構造設計のどんなところがきついと感じるのかについて焦点を当てて解説したいと思います。
設計事務所で構造設計の仕事をするか迷っている人、今まさに構造設計の仕事をしていてつらい思いをしている人の参考になれば幸いです。
構造設計の仕事がきつい理由
構造設計の仕事がきつい理由は4つあります。
- 担当している物件全体をコントロールできない
- 仕事の負担量が多い
- 責任の重さのわりに稼げない
- それなりにコミュ力が必要
それぞれ順番に説明していきます。
担当している物件全体をコントロールできない
一般的に各物件のマネジメント(クライアントとの調整や設計の工程管理など)を担当しているのは意匠担当者です。
構造担当者は、マネジメントに関しては意匠担当者の下請け的な立ち位置にいるため、物件全体をコントロールできません。
あらかじめ決められたクライアントの提示する与条件や設計工程に従って仕事を進めないといけません。
前半の1.と2.が詰まると3.からが遅れて工程が間に合わないとなってしまいます。工事着工の期限は決まっていて動かせないのに作業量は変わらないので、この辺りはよく揉めます。
仕事を進めるうえで一番人間関係がこじれやすいところです。
仕事の負担量が多い
構造担当者がやることは主に5つあります。
基本的に1.〜4.まで1人でこなすことが多く、若手のうちはCADオペさんに作図の一部を依頼するくらいしかできなかったりするので、しんどいと感じると思います。
かつてはめちゃくちゃ働いてスキルを身につけるというのが建築業界のセオリーでした。
昨今の働き方改革の逆を行くやり方なので、矛盾を感じたり社会情勢に合わせている会社の方針との板挟みに苦しんでいる人も多いと思います。
解決策は仕事の絶対量を減らすか、ほかの人に仕事の一部を振ることです。
始めのうちは要領が悪くて時間がかかるかもしれません。
でもそれは折り込み済みな話なので、特に悩む必要はありません。
仕事に慣れたら仕事の一部を外注に回したり後輩社員に振ったりして、マネジメントや後輩社員への指導をメインに移行させていくといいでしょう。
ひとりで抱え込まないでどんどん仕事の協力をしてもらおう。
責任の重さのわりに稼げない
これはサラリーマンの働き方をしている以上仕方ないところがありますが、一般的に設計事務所は職種による年収の違いはありません。
資格手当などで若干の変動はあるものの、基本的に年齢と会社の規模によって年収が決まります。
大手の設計事務所であれば、役職がない若手でも年収500〜700万円くらいは十分狙えます。
とはいえ今の時代、大手組織設計事務所より準大手・中堅クラスのゼネコンや商業開発に力を入れている大手ハウスメーカーのほうが給料は高い傾向にあります。
一級建築士の資格を生かしつつそれ以上を狙うなら、
- 給与水準の高い準大手・中堅クラスのゼネコン
- 商業開発に力を入れている大手ハウスメーカー
- 大手不動産デベロッパー
- 独立開業
を目指すのが得策です。
それなりにコミュ力が必要
構造設計の仕事は専門職なのでスキル重視です。しかし、それなりにコミュニケーション能力が必要なことには注意しないといけません。
といっても、
- チームメンバーとのこまめなやりとり
- 上司とのコミュニケーション
程度のコミュニケーション能力で十分です。外回りの営業のようなことは必要ありません。
これを読んで、上司とのコミュニケーションで引っかかった人がいるかもしれません。
自分と相性の合わない上司に当たったら悲惨です。
実際、私も前の上司との相性が悪くて苦労しました。私は体面や調和より合理性を重視しているので、いつも不機嫌で無意識にイエスマンを求める前の上司がどうも苦手でした。
今の上司は、合理的であれば人の意見をきちんと聞いてくれるのでうまく仕事が回せています。
なので、業務に支障のない最低限のコミュニケーションがとれていたら十分ではないかと思います。
構造設計の仕事のきつさと上司の相性の話は切り分けて考えたほうがいいよ。
楽しい>きついとなるまで耐えられるかで決まる
ぶっちゃけ、構造設計の仕事が楽しかったら続けられるし、続けられたらいつかは天職になると考えています。
会社の上の人たちの意見を聞いてみた限り、20年くらい続いたら天職といえるそうです。
20年なんて待ってられないよ〜。
今のご時世、変化のスピードが激しいから、そんなに待つ必要はないと思うよ。
今後、AIが業務の一部を補助してくれるようになったら、仕事のきつさもある程度解消される方向に向かうと思います。
仕事の適性をAIに診断されるのが普通になれば、そもそも耐えるという選択肢がなくなってしまうかもしれません。
楽しい>きついとなるのには時間がかかる
まあ、未来の話をしても仕方がないので、話を戻します。
建築は実際に建つまでにそれなりに時間がかかってしまいます(中小規模で2年くらい、大規模プロジェクトだと10年くらいが普通)。実際にものができ上がるまでに、楽しい状態でいられるかというのは難しいところです。
一方、住宅レベルだと建つまでの時間はそれほどかからないので、楽しい>きついのタイミングは早まるかもしれません。ただし、住宅の構造設計としての面白さを見出すのは結構難しいと思います。
独立開業してアトリエ系設計事務所とタッグを組むならあるかもしれないね。
私自身はどうかというと、楽しい>きついを超えたか超えてないかの境目くらいです。
入社して数年で設計したものが去年くらいからようやく建ち始めたくらいなので、構造設計を始めて5年くらいがひとつの目安になるんじゃないかなと考えています。
これを長いととらえるか、短いととらえるかで、仕事の仕事のきつさに耐えられるかが変わってきます。
仕事のきつさを解消する方法
私が実践している仕事のきつさを解消する方法は主に2つあります。
- 趣味を楽しむ
- 業務の効率化を図る
趣味を楽しむ
趣味を持つことは、誰でもできる解消方法としては定番ですね。
私の場合は山登りとかアウトドア系全般が趣味です。
大自然に触れると、自分の小ささに気づけるし水はおいしいし、いいことしかない。
とはいえ趣味だけで仕事のきつさを解消するのはおすすめできません。
本質的な解決策ではないし、回数をこなすと出費がかさんでしまうためです。
業務の効率化を図る
業務の効率化としては、
- エクセルVBAなどを駆使して作業を反自動化
- 自身のタスクを細分化して、後輩やCADオペさんに仕事を振る
- 設計業務の一部を外注化して、各系統の調整作業に注力する
などが挙げられます。
いかに手を離して仕事の負担を減らすかが重要です。
設計業の世界だと自前主義で仕事を抱え込む人がいるけど、仕事を回せる人のほうが優秀なのは間違いないと思うよ。
補足1:工事監理の仕事に鞍替えする
そこそこ設計の経験をしてきて、年齢的にも設計の仕事に疲れを感じているなら工事監理の仕事にキャリアチェンジする方法もあります。
設計から一歩引いたところで仕事ができるうえに、他系統(意匠、設備、電気など)の知識も深まるので新しいことに挑戦してみたい人にはおすすめです。
私の周りにも構造系出身で、今は工事監理の部署に異動したという人が何人かいます。
構造系からの異動先としては、メジャーな部類に入るんじゃないかな。
補足2:マネジメント系の仕事に鞍替えする
これはそれなりに大きな会社に勤めている人限定ですが、マネジメント系の仕事(プロジェクトマネジメント、コストマネジメントなど)にキャリアチェンジするのも有効だと思います。
これは私自身、検討中です。
構造設計をやってる人は現場志向な人が多く、競合も少ないので選択肢としてはアリかなと考えています。
ただし、こちらは現場で働くキャリアを捨てる生き方なので、それなりに覚悟は必要です。
結構なキャリアチェンジなので、PM・CM系の会社に転職して1から学び直すというのもひとつの方法だと思います。
まとめ
構造設計の仕事は、ぶっちゃけきついです。
報酬に見合っているかと言えば微妙なところだし、ある種社会奉仕に近いと考えています。
ですが、自分たちでモノを作っていろんな人に使ってもらうことに喜びを感じる、と言う大きなメリットもあります。
ここはきれいごとのように聞こえるかもしれないけど、実感としてそう思ってるよ。
楽しい>きついとなるかは、人によって感じ方が違うので、やってみないとわかりません。仕事がきついかどうかは、やってみてはじめて気づくことですから。
もし構造系の学生で構造設計に興味があるんだったら、インターンシップを受けてみることをおすすめします。短期間なりに合う合わないが見えてくるはずです。
一方で、仕事を進めていくうちにきつさに耐えられなくなって辞めていく人が多いのも事実です。
- 仕事のしすぎで家庭崩壊して離婚した
- 仕事のしすぎで子どもの顔を1週間も見ていない
なんて話はよくあります。
逆に家庭を重視して辞めて独立する人もいます。
辞めることをためらう必要は特にないと思います。
そうは言っても、辞めるまでは考えてないという人がほとんどでしょう。
そんな場合はきつさを解消する方法を参考にしてみてください。
辞めるまでもなく仕事の仕方にきちんと向き合っていくことが、あなたの未来を明るくしてくれるはずです。
それでは、また。
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